こんにちは。幸三建設の小田美恵子です。
弊社を家づくりのパートナーに選んでくださった施主さまのお宅を訪ねてお届けする「ご自宅訪問ブログ」vol.4の[後編]です。
さて、引き続き、ログハウス風のお宅のお話です。家には薪ストーブを入れたいということで、お施主さまが薪ストーブの製品やまわりのデザインなどをすべて決めてきてくださったので、施工については業者さんと打ち合わせをし、薪ストーブが入るような設計にしました。
幸三建設では、これまでに薪ストーブのあるお宅を建てた実績が何軒もありますので、木はここからタイルにしてください、とか、窓は少し離してください、といった決まりを踏まえて進めています。そのあたりはお客様と話を重ねながら、ご理解いただきました。
ご主人さまの「薪ストーブが好き!」を実感できるエピソードがあるのですが、それは、将来薪ストーブのある生活をするということを想定されて、自ら山に行って木を伐り出し、すでに薪を備蓄されているということ。ご自身で汗を流してコツコツと薪作りをされるとは素敵ですね。薪ストーブのある暮らしの実現まであと少しです。
そういえば、ご主人さまはガレージもご自分でつくるご予定で、勝手口から薪が入れられるように動線を考えているとのこと。敷地が広いので庭づくりの夢も広がりそう。楽しみが少しずつカタチになっていく喜びは格別と思います。
また、この住まいは、当初平屋でロフトの設置を予定していたのですが、やはり生活空間として整えたいということで、完成は写真のような二階建てになりました。家づくりというのは大きなことですから、作る途中で、お客さまもあれこれ考えて、思いが変わるのは当然です。この家の場合はとくに、前編でお話したように住宅を建てるのに難しい場所だったので許可を得るまでに半年くらいかかりました。その分、考える時間がたっぷりあったわけですね。
さて、その二階は、山小屋のような印象もある高さといったらいいでしょうか。落ち着く感じなんですよ。寝室は二階にありますので、ゆっくりと休めそうです。トイレのドアには奥さまの趣味でステンドグラスを入れまして可愛いアクセントになっています。屋根裏を利用した収納もたっぷりの広さ。急な階段でないこともうれしい点で、将来に備え、手すりもつけて使いやすくしています。
いろいろと考えられた結果、今のカタチになり、お施主さまも満足していただいているご様子です。ちなみに生活の大部分は一階ですので、平屋のような住みやすさも実感できるはず。洗面室も広くて収納が十分。洗濯を室内で干せる場所もあり、毎日の暮らしに便利だと思います。
雨楽な家の特徴でもある漆喰壁も、当社の場合は塗り方にこだわっていて、少しコテの跡が残る感じで仕上げています。あまりデコボコさせないで、かといってツルッともさせない。塗りっぱなしというやり方で、職人さんにとってはこれが一番難しい(笑)。でも、コテのあとが自然ぽくっていいんです。手作りといいますか、手仕事の良さが伝わる感じがして、やはりクロス壁とはまったく違います。
ちなみに漆喰を塗るときは一人の職人さんがすべてを塗ります。手を(人を)変えると違う塗り方になってしまい、やっぱり良くない。つまり塗り方一つにも、職人の個性が出るということですね。
完成してクリーニングが終わってから漆喰を塗るわけですが、養生もしなくてはいけないし、こちらのお宅の場合はとくに吹き抜けがあるので、足場をつくりながら塗っていくわけですから大変手間がかかっています。
残念ながら、写真では見えないと思いますが、日が当たるとクロス壁はピカッと光るのに対して、漆喰は光を吸収してくれるので落ち着いた感じになります。それがさりげない品格を漂わせてくれると思います。柱に着色をしているので濃い色の柱に対して漆喰の白が美しく、絶妙なコントラストになっていますね。
ところで、漆喰壁はクロス壁と違って、静電気がおきないので汚れがつきにくいのもメリットということをご存じですか。静電気がおきないために、ホコリがついても定着せずに下に落ち、また壁表面に起伏がほとんどないためにホコリがたまらないから壁自体が汚れないというわけなのです。
幸三建設が20年くらい前に建てさせていただいたお宅におじゃましても、いまも漆喰壁は綺麗なまま。お掃除もラクということをよくお聞きします。
クロスを貼ると最初は綺麗でもだんだん汚れ、ホコリもたまるから拭かないといけません。蜘蛛の巣がつくので、またそこにホコリもついてしまいます。もちろん、漆喰壁は自然の調湿効果がありますから、年中快適に過ごせます。
余談ですが、奈良県にある国宝の高松塚古墳はあまりにも有名ですが、1300年以上前に築造されたこの古墳の石室内は日本最古の漆喰壁と言われています。発掘されるまで漆喰は綺麗だったそうですので、漆喰の良さは歴史が証明しているというわけです。漆喰はいにしえより日本で使われてきた素材ですから間違いはありません!自然の素材の力を暮らしに溶け込ませる雨楽な家は、口ではなかなか上手に説明できませんが、住めばわかる快適な家。ぜひ多くの方に、この良さを知っていただきたいという思いでいっぱいになります。
ログハウス風であり古民家調のこのお宅も、床はヒノキ、天井はスギ、壁は漆喰という雨楽な家の基本が支える家。長い年月を安心して、楽しんで暮らしていただけるはずです。
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